群馬県邑楽郡大泉町の《天徳山 宝寿院》は歴史ある境内のたたずまいがとても魅力的な寺院です。

 

重要文化財等

 

高麗仏画 水月観音(楊柳観音) 掛軸

高麗仏画 水月観音(楊柳観音) 掛軸
 
 種々の病難救済を本願とする水月観音(楊柳観音)
 この絵は、高麗仏画と言われる600年以上前の朝鮮の絵画です。世界で165点しか確認されておらず、水月観音図に至っては、わずか45点ほどしか確認されていない貴重なものです。
 当院所蔵の水月観音図は、表現的に微妙な違いはあるものの、基本的な構図には、京都大徳寺所蔵の水月観音図(国指定重要文化財)との類似性が見られます。ただ、観音様の表情は大徳寺のものが男性的なのに対して、当院のものには髭がなく、手首や指も繊細に描かれていて女性的です。
 聖母を思わせる慈愛に満ちた表情、透き通ったヴェール、善財童子の穏やかで純真な眼差しなどに、静寂の美・悟りの境地が絶妙に表現されています。また、対照的に、雲に乗り、供物を捧げて観音様に帰依しようと馳せ参じる世俗的な神、付き従う眷属、従者の鬼や怪物の様子は、善財童子の品位の高さを一層際立たせています。
 なお、高麗仏画は基本的に絹本ですが、当院の所蔵品は紙本です。
※修復時に一部捕色、天地と柱のみ交換 
 画寸:111.5×56cm 表装:190×67.7cm
 
 

阿弥陀三尊板碑(大泉町指定重要文化財)

阿弥陀三尊板碑(大泉町指定重要文化財)
 
   阿弥陀三尊板碑
  この板碑(青色塔婆)には、鎌倉時代の永仁二(1294)年八月という記年銘があり、中央上部には阿弥陀如来、その左下に観音菩薩、右下に勢至菩薩の阿弥陀三尊を表す梵字が、蓮台座の上に薬研彫で彫られている。
 下部に一部欠損が見られるが、700年以上の年月の経過を感じさせない良好な状態が保たれており、現存する大泉町最古の石造文化財として、昭和54年に重要文化財に指定されている。
 当院にはこの他に、記年銘のない板碑が3点保存されているが、いずれもこの時代にこの地域を領有支配していた藤原秀郷流の寄木氏または、当地の峰崎家古文書に記録されている小山氏峯崎氏の供養塔と推定される。

   高さ 67cm  幅 26.5cm  厚さ 3cm
   材質 緑泥片岩
 

石造地蔵菩薩(大泉町指定重要文化財)

石造地蔵菩薩(大泉町指定重要文化財)
 
 袈裟をまとい両手を組んで、右肩に錫杖を抱える素朴な地蔵菩薩像である。
地蔵像右側に「願主権少僧都浄海」
   左側に「永禄十二年八月」とある。
室町時代(戦国時代)1569年の造立で、地蔵信仰が盛んになる江戸時代中期をさかのぼる古いものであり、当地の地蔵信仰の歴史を知る上で貴重な資料であることから、昭和54年に重要文化財に指定されている。
 
 「糸ひばと 地蔵菩薩の 宝寿院」
              (大泉かるた)
 
 
 

楠 正行公肖像 *本朝武将百人傳からの模写絵

楠 正行公肖像 *本朝武将百人傳からの模写絵
 

楠 正成公真筆

楠 正成公真筆
 
 

寄木戸領主山本氏御寄付書状

寄木戸領主山本氏御寄付書状
 
 当院は江戸時代に、寄木戸村領主旗本山本氏の知行地菩提所となり、十世住職天嶺厳長和尚代の明和5(1768)年に、五代目領主で幕府御小姓組番士の山本七兵衛門正府から、歴代領主の御斎米料(供養料)として、当院領の田5筆、高二石五斗余の年貢免租の寄進を受けている。
 この文書はその際の覚書であり、文化財には指定されてないが、寺や地域の歴史を伝える貴重な資料として、歴代領主の位牌とともに代々大切に受け継がれている。
   
領主寄付文書 ( 2012-04-22 ・ 128KB )

天徳山 宝寿院
〒370-0535
群馬県邑楽郡大泉町大字寄木戸
1114
TEL.0276-62-5739
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曹洞宗 寺院
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071843
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