群馬県邑楽郡大泉町の《天徳山 宝寿院》は歴史ある境内のたたずまいがとても魅力的な寺院です。

 

仏事あれこれQ&A

 

仏事に関するよくある質問

仏事に関するよくある質問
 
Q.四十九日法要のお香典は御霊前、御仏前のどちらですか。
A.人は亡くなるとすぐに「あの世」へ行く(成仏する)のではなく、命日から49日までの間は、この世とあの世との中間(中陰)をさ迷うものとされています。49日をもって満中陰となり、施主さんは棚上げ法要を行います。この際に、親族等は施主さんにお香典を差し出しますが、多当は御仏前を用います。これは、故人の魂が49日をもって霊界から仏界へと昇華すると考えられているからです。最近では、施主さんの都合や曜日の関係で、49日を待たずに棚上げ法要を行うのが一般的になっています。この場合に用いる多当は、御霊前なのではないかとも考えられますが、通常、御仏前を用います。これは、お子さん等が学校を卒業する前に卒業祝いを上げるのと同じ程度のことであって、別に深い理由があるわけではありません。
 
Q.回向(料)って何ですか。
 僧侶が読経の際に、お経に続けて唱える文言を回向(えこう)、あるいは回向文(えこうもん)と言います。葬儀や法事の際に、僧侶に供養の読経をしていただき、お布施をする行為は、施主様が徳を積む行為、即ち功徳(くどく)になります。これはお釈迦様の教えです。この功徳を故人や先祖に送り届けることを回向と言い、その際の僧侶へのお布施を便宜上回向料と言います。また、葬儀や法事の際の読経に回向は付きものですから、読経料という言い方もあります。
 ところで、そもそもあの世にいるという故人や先祖に対して、この世の遺族や子孫が、自分の功徳を回向するなどということが、本当にできるのかという疑問を持つ方が多いと思います。もっともなことですが、結論から先に言えば、できます。
 それはこういうことです。故人や先祖が、せっかく生前に播いた良い行いの種(善因)があったとしても、それが芽を吹いて花を咲かせ実を結ぶこと(善果)がなければ無意味ですし、故人や先祖にとって、それはきっと無念なことでしょう。しかし、遺族や子孫が、故人や先祖が播いた種を芽吹かせ、実を結ばせたなら、結果的にそれは故人や先祖の功徳となります。良い結果の原因をつくったのが故人や先祖だからです。何事も原因がなければ結果もありません。
 葬儀や法事の際に、施主様の、故人や先祖の恩(善因)に感謝したいという思い、報恩感謝の念から、僧侶に読経をしていただきお布施をすると、そこに功徳(善果)が生じます。そして、僧侶は「施主様のこの度の功徳は、あなたに向けたものであり、本来あなたが種を播いた功徳です」と唱えたり、念じたりして故人や先祖に伝えます。すると、故人や先祖は喜んでこの功徳を受け取ります。これが回向というものです。故人や先祖は、生前に全うし終えなかった功徳や、充分積むことができなかった功徳を、回向によって、あの世で完遂したり加増することができるのです。
 ところで、一口にあの世とか浄土とか言いますが、積んだ功徳の大きさにより、あの世での位置(ステージ)が大きく異なります。生前に大きな功徳を積んだ人は、より高次元の、明るく心安らかな平安な世界に上ることができます。
 ですから、回向とは、今は無き故人や先祖に対する、何よりのプレゼントです。しかも、このプレゼントを贈る浄らかな行為もまた功徳になります。つまり、自らの功徳を故人や先祖に回向しても、決して減ることはありません。むしろ功徳が増します。功徳を積み重ねることを積功累徳(しゃっくるいとく)と言います。あなたも、この世にあるうちに、功徳という名のポイントをいっぱい貯めてください。それもまた故人や先祖の供養(行供養)になるのですから。
 
Q.四十九日の棚上げ法要が三月越しになるのは良くないのですか。
A.四十九日(満中陰)の棚上げ法要を三月越し(三月またぎ)で行うのは良くないというのは、全くの迷信です。
 故人の命日が月の前半である場合には、翌月が四十九日になりますが、後半の場合には、必ず三月越しになってしまいます。例えば、5月14日が命日だとすると、四十九日は7月1日になります。
 そもそも、三月越しが良くないと言われるようになった理由は、単に語呂合わせによるものにすぎません。三月(みつき)は、『身突き』だから縁起が悪いというものです。それ以外の何の理由も根拠もないので、全く気にする必要はありません。
 こういうことを吹聴する、余計なお世話好きな人はどこにでもいるようですが、くれぐれも、何の意味もない迷信などに惑わされないようにして下さい。
 
Q.葬儀や法事の際に、お寺に差し上げるお金を何と言いますか。
A.戒名料、読経料、回向料、供養料など、いろいろな言い方がありますが、お寺(住職)に差し出すものは、檀家さんからの施しですから、基本的に全て『お布施』で良いと思います。何々料という言い方は、料金を意味しますので、あまり相応しい言い方ではありません。ただし、お塔婆をお願いした時のお塔婆料だけは問題ないと思います。
 なお、御仏前や御霊前の『多当(たとう)』を使用する方もいますが、この多当は施主様に対する香典用のもので、お布施に使用するものではありません。今では事務用品を扱っている店やホームセンターに行けば、『お布施』と印刷された既製品の多当が売られていますので、それを利用すると良いでしょう。また、希に、そのままのむき出しで差し出す方、その上、「確認して下さい」という方もいますが、これはよろしくありません。
 付け加えになりますが、御仏前や御霊前の多当では、お札を裏返しにして入れるのが一般的ですが、お布施の場合は裏返しにはしません。また、住職にお布施を渡す時は、直接手渡しするのではなく、住職の側に向け手前に置くようにします。*この際に小さな角盆にのせるのが正式な作法です。
  
 
Q.お寺で法事を行う時には、何を用意すれば良いですか。
A.基本的には遺影とお位牌、お供え物として、お花(一対)、果物や甘いお菓子を用意します。お花や果物、甘いお菓子をお供えするのは、大切なお客様をもてなす時の心遣いと同じと考えてください。故人は、自分の法要が行われる日を楽しみに待っています。
 故人の法要に集まった遺族や親類・縁者のみんなが、故人を生前と同じように大切に思っていることを表すことで、故人に喜んでいただくためです。また、お施主さんの、故人を思う清らかな行為によって生まれるこの功徳を、尊い読経の功徳と併せて故人に差し上げること(回向=えこう)によって、故人の仏としての存在を高めるためです。
 ただし、お寺や宗派によって多少の違いもありますから、事前に菩提寺の住職にお聞きすると良いでしょう。

天徳山 宝寿院
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