当地大泉町寄木戸の長良神社の東には、300年以上前の江戸時代(元禄時代)から、大正院という名の小さなお寺がありました。この大正院は檀家を有するお寺ではなく、不動明王や役行者等を信仰・礼拝する山岳信仰の修験道行者・修験僧の住居を兼ねた草庵だったようです。
この大正院の境内に、文久二年(1862)に京都の聖護院(現修験宗総本山)から権大僧都法印の僧階認可を受けた修験僧大正院周道(渡邉周内)が発起人となり、大正元年(1912)に不動堂が建立されました。
この縁にちなみ、僧階認可155年後、不動堂建立から105年後にあたる平成29年(2017)10月24日に、宝寿院住職と檀信徒等34人で聖護院を参拝しました。
堂内には成田山新勝寺の不動尊(伝弘法大師作)と良く似た線刻の石仏が祀られ、成田山と刻まれていることから、この不動堂は成田不動尊の遙拝所または御分霊を祀るお堂として建立されたのかもしれません。
また、年号が偶然にも大正院と同じ大正と改まったのを記念して建立されたことも考えられます。
その後この不動堂は、昭和50年代に現在地付近に移転・改築されましたが、道路拡幅に伴い平成25年(2013)に再度現在地に移転・改築されました。また、その際に木造不動尊坐像が新たに安置されました。
不動尊には病魔退散・家内安全・交通安全・商売繁盛等のありがたい御利益がありますが、加えて、当地ではこの不動尊を信仰すれば、
女性は下の世話を受けず、心穏やかに末期が迎えられるという言い伝えがあります。これは嫁いらずの信仰であり、ぽっくり信仰です。
寄木戸不動尊は、全国的にも大変珍しい「ぽっくり不動尊」として、地元信者はもとより、近隣市町からもたくさんの人がお参りに来ています。
不動尊は、酉年生まれの人の守り本尊です。
不動尊の縁日は毎月28日です。
寄木戸不動尊例大祭は毎年3月28日に行われます。